「消防業務エッセンシャルズ第6改訂版」は、消防士教育の入門教本として、
また、既に消防組織に所属している消防士の参照教材として利用されることを意図して作られています。
米国では、消防士になるためには、全米防火協会(以下NFPA※)「消防士専門資格に関する規格NFPA®1001」を充たすことが必要です。この「エッセンシャルズ」は、 同規格に準拠し、体系的に全般を網羅した唯一のテキストとなっていますので、「必修教科書」と呼ばれる所以はそこにあります。 ※NFPA : National Fire Protection Association
伝統と信頼基盤の積み重ね
1977年の初版以来、40年近くに亘り改定がなされ、今も継続しています。
環境の変化、災害の多様化や、消防技術の革新にあわせ、その内容はその時々にあわせ、常に更新されています。
この「エッセンシャルズ」を発行している国際消防訓練協会(以下IFSTA※)は、
消防に従事する人々の技術力向上と安全確保を、教育を通じて発展させることを目的として、1934年に非営利の消防教育団体として設立されました。
※IFSTA : International Fire Service Training Association
その後、IFSTAは、その使命遂行のため、消防出版部(以下FPP※)をオクラホマ州立大学内の組織として設置し、IFSTAが企画・開発・検証を行った教育・訓練教材について、オクラホマ州立大学のFPPが出版するという、一体的な運営関係が生まれました。
このことから、オクラホマ州立大学の「エッセンシャルズ」と呼ばれることもありますが、それは間違いではありません。
※FPP: Fire Protection Publications 常に時代即応の見直し・改定
このオクラホマ州立大学FPPでは、毎年、「エッセンシャルズ」を含めた消防教材に関して、消防幹部、大学関係者、医療関係者、政府・自治体幹部、軍関係者、消防士代表、企業代表、等々からなる検討会を開き、NFPA基準との整合はもとより、内容の妥当性や、高品質な学習支援及び指導方法のあり方に関する検討を行い、集積された知識や技術の管理を行っています。
このような永年の取り組みもあり、米国では、オクラホマ州立大学は消防に関する教育・訓練体系の最高峰と位置付けられ、陸軍の士官学校になぞらえて、消防のウエストポイントと呼ばれることもあります。
IFSTAの教材は、米国及びカナダ政府の多くの機関で公認教材として採用されていますが、その中でも、「エッセンシャルズ」は、常備消防はもちろん、消防団、企業の自衛消防組織でも広く使われていることから、消防士のバイブルとして絶対的な地位を築いています。
日本の防災力向上のために
この度、㈱日本防災デザインは、IFSTAおよびFPPより、独占的翻訳権を取得し、約1年をかけ、消防関係の方々をはじめとして、多くの機関および専門家のご支援をいただきながら、その全容を日本語で読んでいただけるようにいたしました。
国際的に高い評価を受けている体系化された知識と、写真やイラストをふんだんに使った分かり易いスキル解説は、日本でも、消防関係者だけでなく、自治体や企業の防災担当者や、教育担当の方々に、実務や教育の面で、多くのヒントを与えてくれるものと確信します。
一人でも多くの方が、本書を手に取り、ご自身の業務と国際標準との比較により、多くの発見をしていただき、それが日本の防災力向上の一助になれば望外の喜びとするところです。
本書の特徴・構成
最新の改訂版のコンテンツには次のような特徴があります。
•全米防火協会NFPA1001「消防士の専門資格に関する規格」に示された、Firefighter I資格及びFirefighter II資格の業務遂行要件(JPR※)に適合した内容に構成されています。 ※JPR: Job Performance Requirements
•全米防火協会NFPA472、「危険物/大量破壊兵器災害対応者の能力に関する規格」のアウェアネスレベル、オペレーションレベルの業務遂行要件に適合しているため、 初任科の段階での基礎的なNBC災害(N:核物質、B:生物剤、C:化学剤が使用される災害)対応の基本事項が凝縮されています。例えば、緊急時応急措置指針(ERG※)2012年版の詳しい説明とその活用方法が解説されています。 ※ERG: Emergency Response Guidebook
各章の構成は次のとおりです。
1.各章の冒頭では、その章における目次・キーワードとともに、NFPA基準のJPRとの関連が示されます。学習者は常にNFPA基準のどこを勉強しているのかを意識することになります。
例:NFPA1001 Firefighter I 5.3.10、NFPA1001 FirefighterⅡ 6.3.2、NFPA472 5.2.1
2.その章における学習目標がNFPA基準とともに提示されます。学習者はその目標を達成するとNFPA基準のどこをマスターするかが分かる仕組みになっています。
例:【学習目標】有害物質災害の6種類を説明する→ NFPA472 4.4.1, 5.2.2, 5.2.3
3.各章の記述は必ず、その章に関連する過去事例が紹介されます。現場で実際に起きた失敗事例や被災事例も示されるので、学習の動機づけを高めることになります。
4.重要項目には、シグナルワードとして「警告(赤の囲み)」、「注意(黄色の囲み)」及び「注釈」の3種類が使用され、学習者の重要性への認識を促す仕組がなされています。
5.「情報ボックス」や「安全警報ボックス」などとして、重要な情報や安全上の留意点を、アイコンをつけた囲み記事として、視覚から訴える工夫がされています。
6.写真・イラスト・図・表が豊富に使用され初学者にもわかりやすい内容となっています。
7.各章の終盤にはゴールが明確に示されているので、その項目を自己チェックすることで理解度が確認できます。
8.機器の取扱い等、実際の行動が重要な学習項目となる章については、最後に「スキルシート」として、一連の動作の手順が連続写真として示されています。併せて各ステップごとのコツや留意事項も解説されています。
内容・目次
「エッセンシャルズ」は、2008年に発刊された第5改訂版から、救急救命の教育専門誌を刊行する「BRADY出版」(救急救命訓練の教本の発行では最大の出版社)の協力のもと、その内容を充実させました。
また、これまでの「エッセンシャルズ」は21章で構成されてきましたが、今回翻訳した「拡大版 消防業務エッセンシャルズ第6改訂版」は、更に一層内容を充実させ、全24章で構成されています。 拡大版の各チャプターは次の通りです。
1.序文及び消防の歴史
2.消防士の安全と健康
3.消防通信
4.建築構造
5.火災性状
6.個人用保護具
7.消火器
8.ロープ、ウェビング、ノット
9.構造物内捜索、要救助者搬送、ファイアーファイター・サバイバル
10.現場の照明、救助器具、車両からの救出、テクニカルレスキュー
11.強制進入
12.積載はしご
13.換気戦術
14.消防水利
15.消防用ホース
16.消防放水
17.火災防御
18.ロス・コントロール(水損防止と残火処理)
19.火災原因調査
20.消防用設備
21.命を守る防災教育
22.消防士による救急医療処置
23.危険物・大量破壊兵器による災害の危険性、性状、認識
24.危険物・大量破壊兵器による災害の沈静化
付録
A. NFPA職務遂行能力要件(JPR)(章及びページ索引付きPRO)
B. 病院前救護9-1-1緊急医療対応:医療機関への引き渡し及び協力に関しての米国消防の役割
C. 消防士としての癌の危険性に関する認識
D. 泡消火剤の特性/使用方法
E. 警戒を要する18の状況
用語解説
索引
また、既に消防組織に所属している消防士の参照教材として利用されることを意図して作られています。
米国では、消防士になるためには、全米防火協会(以下NFPA※)「消防士専門資格に関する規格NFPA®1001」を充たすことが必要です。この「エッセンシャルズ」は、 同規格に準拠し、体系的に全般を網羅した唯一のテキストとなっていますので、「必修教科書」と呼ばれる所以はそこにあります。 ※NFPA : National Fire Protection Association
伝統と信頼基盤の積み重ね
1977年の初版以来、40年近くに亘り改定がなされ、今も継続しています。
環境の変化、災害の多様化や、消防技術の革新にあわせ、その内容はその時々にあわせ、常に更新されています。
この「エッセンシャルズ」を発行している国際消防訓練協会(以下IFSTA※)は、
消防に従事する人々の技術力向上と安全確保を、教育を通じて発展させることを目的として、1934年に非営利の消防教育団体として設立されました。
※IFSTA : International Fire Service Training Association
その後、IFSTAは、その使命遂行のため、消防出版部(以下FPP※)をオクラホマ州立大学内の組織として設置し、IFSTAが企画・開発・検証を行った教育・訓練教材について、オクラホマ州立大学のFPPが出版するという、一体的な運営関係が生まれました。
このことから、オクラホマ州立大学の「エッセンシャルズ」と呼ばれることもありますが、それは間違いではありません。
※FPP: Fire Protection Publications 常に時代即応の見直し・改定
このオクラホマ州立大学FPPでは、毎年、「エッセンシャルズ」を含めた消防教材に関して、消防幹部、大学関係者、医療関係者、政府・自治体幹部、軍関係者、消防士代表、企業代表、等々からなる検討会を開き、NFPA基準との整合はもとより、内容の妥当性や、高品質な学習支援及び指導方法のあり方に関する検討を行い、集積された知識や技術の管理を行っています。
このような永年の取り組みもあり、米国では、オクラホマ州立大学は消防に関する教育・訓練体系の最高峰と位置付けられ、陸軍の士官学校になぞらえて、消防のウエストポイントと呼ばれることもあります。
IFSTAの教材は、米国及びカナダ政府の多くの機関で公認教材として採用されていますが、その中でも、「エッセンシャルズ」は、常備消防はもちろん、消防団、企業の自衛消防組織でも広く使われていることから、消防士のバイブルとして絶対的な地位を築いています。
日本の防災力向上のために
この度、㈱日本防災デザインは、IFSTAおよびFPPより、独占的翻訳権を取得し、約1年をかけ、消防関係の方々をはじめとして、多くの機関および専門家のご支援をいただきながら、その全容を日本語で読んでいただけるようにいたしました。
国際的に高い評価を受けている体系化された知識と、写真やイラストをふんだんに使った分かり易いスキル解説は、日本でも、消防関係者だけでなく、自治体や企業の防災担当者や、教育担当の方々に、実務や教育の面で、多くのヒントを与えてくれるものと確信します。
一人でも多くの方が、本書を手に取り、ご自身の業務と国際標準との比較により、多くの発見をしていただき、それが日本の防災力向上の一助になれば望外の喜びとするところです。
本書の特徴・構成
最新の改訂版のコンテンツには次のような特徴があります。
•全米防火協会NFPA1001「消防士の専門資格に関する規格」に示された、Firefighter I資格及びFirefighter II資格の業務遂行要件(JPR※)に適合した内容に構成されています。 ※JPR: Job Performance Requirements
•全米防火協会NFPA472、「危険物/大量破壊兵器災害対応者の能力に関する規格」のアウェアネスレベル、オペレーションレベルの業務遂行要件に適合しているため、 初任科の段階での基礎的なNBC災害(N:核物質、B:生物剤、C:化学剤が使用される災害)対応の基本事項が凝縮されています。例えば、緊急時応急措置指針(ERG※)2012年版の詳しい説明とその活用方法が解説されています。 ※ERG: Emergency Response Guidebook
各章の構成は次のとおりです。
1.各章の冒頭では、その章における目次・キーワードとともに、NFPA基準のJPRとの関連が示されます。学習者は常にNFPA基準のどこを勉強しているのかを意識することになります。
例:NFPA1001 Firefighter I 5.3.10、NFPA1001 FirefighterⅡ 6.3.2、NFPA472 5.2.1
2.その章における学習目標がNFPA基準とともに提示されます。学習者はその目標を達成するとNFPA基準のどこをマスターするかが分かる仕組みになっています。
例:【学習目標】有害物質災害の6種類を説明する→ NFPA472 4.4.1, 5.2.2, 5.2.3
3.各章の記述は必ず、その章に関連する過去事例が紹介されます。現場で実際に起きた失敗事例や被災事例も示されるので、学習の動機づけを高めることになります。
4.重要項目には、シグナルワードとして「警告(赤の囲み)」、「注意(黄色の囲み)」及び「注釈」の3種類が使用され、学習者の重要性への認識を促す仕組がなされています。
5.「情報ボックス」や「安全警報ボックス」などとして、重要な情報や安全上の留意点を、アイコンをつけた囲み記事として、視覚から訴える工夫がされています。
6.写真・イラスト・図・表が豊富に使用され初学者にもわかりやすい内容となっています。
7.各章の終盤にはゴールが明確に示されているので、その項目を自己チェックすることで理解度が確認できます。
8.機器の取扱い等、実際の行動が重要な学習項目となる章については、最後に「スキルシート」として、一連の動作の手順が連続写真として示されています。併せて各ステップごとのコツや留意事項も解説されています。
内容・目次
「エッセンシャルズ」は、2008年に発刊された第5改訂版から、救急救命の教育専門誌を刊行する「BRADY出版」(救急救命訓練の教本の発行では最大の出版社)の協力のもと、その内容を充実させました。
また、これまでの「エッセンシャルズ」は21章で構成されてきましたが、今回翻訳した「拡大版 消防業務エッセンシャルズ第6改訂版」は、更に一層内容を充実させ、全24章で構成されています。 拡大版の各チャプターは次の通りです。
1.序文及び消防の歴史
2.消防士の安全と健康
3.消防通信
4.建築構造
5.火災性状
6.個人用保護具
7.消火器
8.ロープ、ウェビング、ノット
9.構造物内捜索、要救助者搬送、ファイアーファイター・サバイバル
10.現場の照明、救助器具、車両からの救出、テクニカルレスキュー
11.強制進入
12.積載はしご
13.換気戦術
14.消防水利
15.消防用ホース
16.消防放水
17.火災防御
18.ロス・コントロール(水損防止と残火処理)
19.火災原因調査
20.消防用設備
21.命を守る防災教育
22.消防士による救急医療処置
23.危険物・大量破壊兵器による災害の危険性、性状、認識
24.危険物・大量破壊兵器による災害の沈静化
付録
A. NFPA職務遂行能力要件(JPR)(章及びページ索引付きPRO)
B. 病院前救護9-1-1緊急医療対応:医療機関への引き渡し及び協力に関しての米国消防の役割
C. 消防士としての癌の危険性に関する認識
D. 泡消火剤の特性/使用方法
E. 警戒を要する18の状況
用語解説
索引
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